コインランドリーは交流のチャンス
神経質な私は常にコインランドリーから離れません。パリは盗難が多いので、常に監視しています。が、よく考えたら高級な洋服は持っていなかったですし、濡れたパンツとか持っていって何の得があるでしょうか。でも、やっぱり性格は変えられないので、いつもコインランドリーでフランス語の教科書を読んでいました。
気さくなフランス人はかなりの高確率で話しかけてきます。
私が住んでいた通りにはアフリカ系移民専用のレジデンスがありました。なので、毎週どこから来たかは知らないけど『新入り』が来ます。そして、毎度使い方が分からず、私に聞いてきます。毎回聞かれるので、レジデンス内で『アジア人の店員がいる』と噂、間違えられていると思っていました。彼等のフランス語は流暢です。私は下手なフランス語で頑張って説明します。そして世間話が始まります。
あるアフリカ系移民の話
私がいつものようにコインランドリーで洗濯物を洗って本を読んで待っていると一人のアフリカ系の男が話しかけてきました。どうやら大きいお札しか持ってないので、両替できないか、と。私はパリに住んでいた時は常にリスクを考えて小銭しか持たないようにしていたので、近くの普通のお店を紹介して、そこで両替してくるように言いました。本当に困っていたのは見れば分かる話ですが、見ず知らずなので、一応断ります。(でも実際は良い人だった。ごめんなさい。)
両替して帰ってきた
で、彼は帰ってきてマシーンと格闘。私よりフランス語できるはずだし、壁に書いてあるんだけど、と思いながらもやり方をレクチャーする。そんなやり取りをしながら、彼はこんな事を話してくれた。
フランスで車を仕入れてアフリカに売っている人だった
名前も聞かなかったが、確かアルジェリアの人だった。彼はフランスで中古車を仕入れて、アフリカへ輸出をしているんだとか。日本車は丈夫で品質が良い。アフリカでも需要があるし、高値で売れるそうだ。そんな話をしながら、いろいろ彼のビジネスを話してもらった。私は当時WEBの仕事でフランスに滞在を目論んでいたが、語学力が基準に達せず、諦めてしまった。異国の地で必死にビジネスをしている彼等は本当に凄いし、尊敬する。
ちょっと敷居は高いけど
コインランドリーは良い出会いの場です。特に何人かのフランス人が話している中に入り込んでいくのは勇気がいります。でも、留学生っていうだけで暖かく接してくれるものです。下手でも頑張って何かを伝えればコミュニケーションはできます。かつ、親日家は多いので、日本人という事そのものが最大の武器です。コインランドリーに行く度にフランス語の特訓ができます。